アコースティック・バンド

画像1989年のアルバムです。完璧なジャズ・ピアノ・トリオのアルバムです。メンバーはエレクトリック・バンドのメンバー。ただ、ギターがいないだけ。
曲目もジャズ・スタンダードナンバーが半分以上。
発売された時は、このメンバーでこんなアルバムを出したことにちょっとビックリ、でも考えてみれば、当然だったかもとも思いました。
そう、1988年の「アイ・オブ・ザ・ビホルダー/エレクトリック・バンド」はジャズのアルバムではないけど、エレクトリックというよりはアコースティックなバンドのアルバムでした。
この「アコースティック・バンド」では、デイブ・ウェックルは見事なジャズ・ドラマーです。とくにソー・イン・ラブでのドラムソロが素敵!
ジョン・パティトゥッチのベース・ランニングも心地いい。この人は、実はジャズベーシストなんだなぁ。。。とあらためて感じます。ぼくの勘ですが、この人はきっと、ピアノも上手いと思います。モーニング・スプライトでのベースソロを聞いているとそんな感じがするんです。
アルバムの最後がスペインで閉めてるというところが、チックコリア・ファンにはたまらないです。
コリアって、いつも思いつきでアルバムを作ってて、作品の方向性については、一貫性を感じないし、すごく無頓着な感じがするのですが、こういったところでは、「ファンを大切にしてるんだなぁ」とも思ったりするのは、考えすぎ?
アコースティック・バンドあるいはエレクトリック・バンドって、コリアにとってRTFパート2というより、「フレンズ」パート2なんじゃないかと思いますが、いかがでしょ。

アルマンドズ・ルンバ/マイ・スパニッシュ・ハート

画像マイスパニッシュハートというアルバムの曲のなかでも象徴的な曲のひとつだと思います。ピアノと弦楽四重奏(だと思います)による演奏。ときに入ってくるハンドクラッピングや床を靴でならしているのはチックコリアだと思います。
実際にこのころのコンサートでこの曲を演奏していて、コリア自身がピアノを弾きながら舞台の床を靴でタップしてました。ハンドクラッピングもしてました。
チックコリアの曲は、ジャズでもエレクトリックでもラテン的なリズム感を感じさせる曲が多いですが、この曲はまさにラテン的チックコリア曲。それを、バイオリン・チェロとピアノでという構成がチックコリアらしい。
1990年以降のいろんなアルバムでこの曲が表れます。マイスパニッシュハートに入っているこの曲が原曲だと思うと、その後にでてくるこの曲がどんな風にかわって演奏されているかが楽しく聞けますね。

ラブ・キャッスル/マイ・スパニッシュ・ハート

画像このアルバムは好きな曲が多すぎて、一日じゃぁ言い尽くせないです。この前は、「スペイン」だったので、今日は、「ラブ・キャッスル」。
いい曲だぁ!まず、頭のピアノのメロディがいい!軽やかで明るくて歌い上げるようなメロディ!そして、ゲイルモランの歌声。この構成が、すごくマッチしていて、楽しくて仕方がないっていう感じ。それでいて、上品でリズミカルで。このアルバムの1976年のころは、ふたり(チックコリアとゲイルモラン)はもう結婚してたのでしょうか?
この「ラブ・キャッスル」というタイトルは二人の愛の城という意味だったのではと思ったりするのです。もし、そうだったら、この曲にはコリアらしいコリアの女性への愛の表現がにじみでているように感じるのは僕だけかな。
とにかく明るくて、まっすぐで、よどみなく、力まず、太陽の下で誰にもはばからずに「好きだよ」って言ってる、そんな感じがします。 いいなぁ~。
スペインの城といえば、グラナダのアルハンブラ宮殿ですが、コリアの曲からぼくが感じる城はどちらかというと、セゴビアとかにある中世のスペインの城のイメージです。チェスのこまのルークの形をした塔が大きな門の横にあって、城壁の中にはディズニーランドのシンデレラ城のような城がそびえているという感じ。

ビニース・ザ・マスク

画像1991年 エレクトリック・バンド第5作です。
ファンキーなエレクトリック・バンドになりました。今回は気軽に楽しく聞ける曲ばかりで、ポップスのランキングを狙ったのではないか。。。(それはないか)
1曲目のビニース・ザ・マスク、2曲目のリトル・シングス・ザッツ・カウント、3曲目のワン・オブ・アス・イズ・オーバー40はファンキーな曲。第1作を思わせるようなところもある、とっても楽しい曲の連続です。
4曲目のウェイブ・グッバイはかっこいい曲です。ベースラインはず~っと同じディドッドディドドンといった感じの連続にキーボードを中心としたかっこいいフレーズが乗っかった感じのいい曲に仕上がっています。
5曲目ライフ・スケープはちょっとかわったバラード風の曲。雰囲気はバラードなんだけど、クールな感じで明るめのトーン。曲の頭は重たそうな感じなんだけど、だんだん明るく軽い感じに代わっていきます。これも、全体としては単調なんだけど、決めてるところはちゃんと決めてて、歌いたくなるような、でも、クールな曲。南の島の木陰で感じる涼しい風といった感じかな?
6曲目のジェイミン・イー・クリケットは出だしのチョッパー・ベースがかっこいい!
7曲目チャージド・パーティクルズは、第7銀河あたりのころのリターン・トゥ・フォーエバーを思わせる曲。
8曲目フリーステップはこのアルバムのお勧め曲です。 
この曲は、まさにチックコリアならでは雰囲気の曲。スパニッシュで、熱くて、かっこよくて、単純で、ちょっとポップにまとまりすぎてる感じはあるけど、いいですね、この曲。
9曲目の99フレーバーズは「妖精」か「マッドハッター」のような曲頭から、1作目の「エレクトリック・バンド」風の曲に繋がっています。これも聞きやすい曲。
10曲目の最後の曲はイリュージョン。
こまかいリズムの上で流れる、ゆったりした旋律はまさにイリュージョンの始まりを予感させます。そこから繋がる軽快なハーモニー、そしてトーンの変化。4拍子から6拍子になってみたり、民族音楽的になったり、クールになったり。まるで、目の前で世界的なマジシャンが奇想天外なショーを見せてくれているような。そんな曲です。

ふぅ~、今日はもう寝よか。

インサイド・アウト

画像アイ・オブ・ザ・ビホルダーを聞いた後にこのアルバムを聞くと、一瞬、「あっ!エレクトリックバンドが帰ってきた!」かとも感じながら、やっぱり「アイ・オブ・ザ・ビホルダー」を引きずっているような感じのアルバムです。コリアは、ほとんどアコースティックピアノを弾いています。
曲想は「エレクトリックバンド」風、あるいはジャズ。
考えてみると、チックコリアはもともと、ジャズ・ピアニストなのですが、ぼくにとってジャズピアニストといえば、ビル・エバンスとかオスカーピーターソンとか、最近ではブラッド・メルドーとか。。。。チックコリアは演奏家としては単にキーボード奏者だと思っています。
こんな捕らえ方は失礼かな?
だから、ジャズを演奏しているコリアは、ぼくにはなぜか新鮮に感じてしまうときがあります。 人によっては、純粋にピアニストとして、コリアはどうか?という疑問があるからかもしれません。
あまり、テクニカルな点での比較はしたくないけど、確かにハービーハンコックとかと比べると、ピアニストとしてはちょっと。。。。でも、アドリブラインはハービーよりコリアのほうがぼくは好きですけどね。
なんだか、変なコメントになっちゃったなぁ。
今回のぼくのお勧めの曲は、アルバムタイトルにもなっている、インサイド・アウトとキッカーです。
それと、ぼくの勝手な好みですが、テールズ・オブ・ダーリングのチャプター3~4がすごくいいです。
曲頭のコリアのピアノとデイブ・ウェックルのドラムのバランスがいい!そして、中盤のフランク・ギャンブルのギンギンのギターのもりあがり、それをつなぐ曲頭のモチーフ、最後まで緊張しっぱなしの変化と単純さという矛盾を突きつけた、音楽の宇宙の外と中心の両方に向かっている、不思議な感覚。できればエンディングも、緊張しっぱなしで終わって欲しかった~。
(チックコリアにこんなこと言っちゃいけないなぁ。。。)

アイ・オブ・ザ・ビホルダー

画像チックコリア・エレクトリック・バンドの第3弾として1988年に発表されたアルバムです。
聞いて、「あれ?」と思います。そう、エレクトリック・バンドらしくないアルバムです。
このアルバムは1曲目のホーム・ユニバースから2曲目のエターナル・チャイルドにつづくところで、曲想がつながっているのが感じられます。曲名を追って見ましょう。
1.ホーム・ユニバース --- 家空間
2.エターナル・チャイルド --- 永遠の子
3.フォーゴットン・パスト ---- 忘れさられた過去
4.パサージュ   ------ 変遷
5.ビューティ    ------ 美
6曲目以降は省きます。
という感じで、アルバムを通して、テーマを感じます。それは、物語なのかもしれません。
こういったアルバム作りは、以前にもありました。「妖精」や「マッド・ハッター」がそうだったように思います。

ところで、どうしてこのアルバムが「エレクトリック・バンド」なのでしょう?
コリアはアコースティックピアノを弾いているし、最後の曲アムネシアなんか、完璧ジャズだし、メンバーが「エレクトリック・バンド」のメンバーだからって、「エレクトリック・バンド」で出しちゃうと、買った人は、「あれ~っ!コリアはバンドの方向性を変えちゃうのかな~っ」と思いません? まぁ、コリアのすることだから、これも楽しい遊びと思えば、そうも思えますが。。。(^-^;

このアルバムも全体的に出来は素晴らしいですが、ちょっと重たい。で、ぼくのお勧め曲は
1曲目から2曲めにいくホーム・ユニバース~エターナル・チャイルドと8曲目のトランス・ダンスです。

ライト・イヤーズ

画像「ライト・イヤーズ」はエレクトリック・バンドの第2作として登場したアルバムです。第1作よりも洗練された感じで、すごくかっこいいBGMという感じです。ただ、チックコリアの曲は、ひとつひとつに特徴があって同一のトーンを保っていないので、アルバム全体がBGMに適するかどうかは疑問。でも、ひとつひとつが特徴的であることがチックコリアの魅力ではあるわけです。
今回はきちんと主題となるメロディを設定して、それぞれの楽器がメロディを歌い上げるような感じの曲が今回多いように感じます。そんななかで、前作のエレクトリックバンドのロック風のイメージを保っている「タイム・トラック」や「フラミンゴ」はちょっと光ってる感じがします。
とにかく、このアルバムは「かっこいい」アルバムですね。高級スポーツカーを高速でゆったり走らせながら、車内で聞くアルバムとしてはぴったりなのでは?

エレクトリックバンド/チックコリア

画像1986年 フュージョン界でトップミュージシャンとしてノリノリのチックコリアがこれぞ「電子ロック系音楽」と打ち出したアルバム「エレクトリックバンド」。
もともと、アルバム「リターン・トゥ・フォーエバー」で電子楽器をつかってジャズロック系の音楽も手がけていたわけで、その後の「銀河の輝映」では、その系統を中心にアルバムをだしたわけでしたが、当時はジャズミュージシャンとして認められていたせいか、コリアのファンからはあまり受け入れられなかったみたいでした。
もし、キングクリムゾンなどを聞いていたロックファンが聴いたら、ビックリしたアルバムだと思うのですが。。。。
どちらにしても、このアルバム「エレクトリックバンド」は、その流れをタイトルとしてはっきり打ち出したアルバムだったわけで、その後、数作のエレクトリックバンドのアルバムが出されます。
このアルバムには、「キングコックローチ」のようなコリアならではの遊び曲や、「インディアタウン」みたいな、どちらかというとクロスオーバー系の異国情緒を漂わす雰囲気の曲、「クール・ウィーズル・ブギー」のような、クールでかっこいい曲などバラエティに富んでいてます。
なかでも、「エレクトリック・シティ」と「サイド・ウォーク」「ランブル」は秀作。単純な構成の曲なんだけど、同じフレーズを同じように演奏することがない、すばらしい演奏を聞かせてくれるノリノリのロック曲です。
そして、最後から2曲目に「オール・ラブ」でバラードを奏でるエレクトリック・ピアノをフューチャーした曲。ホッとしますね。
チックコリアは、どちらかというとスパニッシュ系アコースティック・ジャズピアニストみたいなイメージがありますが、このジャンルでは、すごいロックミュージシャンですね。

フレンズ/シシリー

画像
アルバム「フレンズ」はチックコリアの1978年の作品です。いま聞いても古い感じのしない斬新な曲ばかり。タイトルにあるように、コリアが大好きな友達と作ったという感じのできあがりになっていて、アルバムの写真のような楽しい雰囲気でできたんだろうなぁと思います。
でも、この大好きな友達というのがすごいメンバーですよ。
ベースはエディ・ゴメス、ドラムはスティーブ・ガッド、フルートはジョー・ファーレルという凄いメンバー!かれらは、1978年時点では、新進ミュージシャンでしたが、80年代半ばにはコリアを含めて4人ともジャズ・フュージョンでは中心的なミュージシャンになっていましたね。

このアルバムのなかでも、最後から3番目の曲「シシリー」は何度聞いても、ワクワクする曲です。

ノーミステリー

アルバム「ノーミステリー」に入っている曲です。
アルディミオラのアコースティックギターとコリアのピアノがマッチしたとっても素晴らしい曲です。
このタイトル名って、どういう意味だろう。
「神秘さや不可思議なことがない」ってことは、「わかりやすい!単純!」ってこと?
何が???
コリアは生き方を言ってるんじゃないかと思うんだ。
「俺の生き方って、ノーミステリー。バカみたいに単純なのさ!」って。

コリアの曲って、よく「素晴らしく計算された、完成度の高い曲ばかり。。」と表されることがあるけど、ほとんどの曲が一気に書き上げるものばかりで、頭に浮かんだフレーズを、ものの数分で曲に仕上げてしまうんじゃないかと思うのです。
そんな曲の作り方と同じで、あんまり生活や人生観においても悩んだりすることはなくって、「あ~ラーメン食いてぇ~。」と思ったら、ラーメン食べるし、「映画見てぇ~。」と思ったら映画をみるというものだったんじゃないかと思うのです。

でも、そんなことが出来たのは、コリアが金銭欲や名誉欲があまりなく、「音楽やりたい」だけの気持ちがとても大きい人だったからだろうなぁ。

ところが、そんなコリアにも80年代には悩みができます。
80年代は、フュージョン最盛期!コリアはスーパースターになっちゃった。だから、いろんなミュージシャンがコリアと競演したがる。コリアは、誰とでも競演したいほうだから、簡単に安請け合いしてしまって、にっちもさっちもいかなくなってしまった時期があったようです。

それまで歌手兼マネージャ兼奥さんだったゲイル・モランはあきれはてて、しかたなく専属のマネージャを雇うことになったのですね。このマネージャってのが、かなり厳しい人だったらしく、コリアには一切スケジュールを立てさせない!ビジネスの交渉をさせない!しまいには、音楽的な活動に関する管理も握られたりして、窮屈な思いをしたらしい。
有名な話で、コリアがマネージャに日本でのライブの際の待遇について思い切った嘆願書を提出したことがあったとか。その嘆願書には、「ラーメンとケーキは自由に食べさせること。」と書いてあったそうな。。。。(^-^;

ネイティブ・センス

画像1973年の「クリスタル・サイレンス」から何年か毎にゲイリー・バートンとのデュオアルバムをだしてきましたが、26年たった1997年の作品「ネイティブ・センス」は、また、新たな感動を呼ぶアルバムです。
1曲目の「ネイティブ・センス」はチックコリアのジャズピアニストらしいところが出ている曲で、自分の一番好きな部分がでている曲です。構成はとても単純なフレーズのリピートでできていて、それを無限に広がる世界に聞かせるところがすごい!
2曲目は名曲「ラブ・キャッスル」。ピアノとバイブラフォンのユニゾンがたまらない!
心躍る雰囲気の出来栄えです。
4曲目の「ノーミステリー」は、「いつかはやってくれる曲」と思っていました。アルディミオラのギターとのデュオ曲だったけど、初めて聞いたときから、「ゲイリーバートンとデュオでやったらどんな感じかなぁ」という期待を裏切らない出来栄えです。
5曲目は「アルマンドス・ルンバ」はコリアのピアノ伴奏で弾くゲイリーバートンがすごくフィーチャリングされてて、凄いです。
2,4,5はコリアファンにはおなじみの曲でしたが、新鮮な感じで聞けます。
ぼくのお勧めアルバムの一つ!

クリスタル・サイレンス

画像チックコリアの曲で一番最初に聞いたのは、「クリスタルサイレンス」でした。
中学2年生のときでした。勉強しながら、FMラジオを聞いていたら、流れていたのがこの曲です。あまりの素晴らしさに、勉強どころではなくなってしまい、涙をボロボロ流してしまったのを覚えています。
このアルバムタイトルにもなっているこの曲は、ゲィリーバートン(バイブラフォン)との競演の曲の代表作だと思っています。1972年の作品ですから、いまから35年前ですね。
この曲を分解してみました。以下のような構成になっています。
1.前奏
2.主題×2
3.副主題?(間奏?)
4.主題
5.カデンツォ?
6.変化(6拍子)
7.主題
8.エンディング

分解したものの内容を確認してみます。(ぼくの勝手な感想もいれて)

1.曲の冒頭はコリアのピアノソロによる前奏です。これはまず、すごくいい!ここで感激します。
2.そして、コリアのピアノをバックにゲィリーバートンのバイブラフォンが主題を弾きます。主題はリピートなのですが、演奏は変えてあるのですね。基本はジャズだから当然なのだけど、あまりの完成度の高さにクラシックの変化形のように感じます。
曲名「クリスタルサイレンス」のとおり、とても透明感のある、ゆったりした、しかし緊張感のある、クールな曲調です。
3.主題がおわると、コリアのピアノを前面に出した副主題が始まります。これもいいですね。
4.そして、またゲィリーバートンの主題があります。
5.その後、なんと、コリアがカデンツォみたいなピアノソロを入れるのです。これは、おもしろい!初めて聞いたときは、「なんだろ、これは?」と思いましたが、これまた何回も聞いていくうちに、この個所の全体のおける輝きが素晴らしいことに気づきます。
6.この曲はここまでしっかりしたリズムというものを感じませんが、ここではっきりした6拍子があらわれます。しかも、コードは2つしかない単純な構成。にもかかわらず、曲そのものは多様なメロディがつづき、コードもテンションが入っていて、6拍子といっても、ときどき複雑なリズムが飛び出したりで、聞き飽きない!むしろ、聞いた初めからすばらしいのに、何回も聞くうちに、さらに味がでてくるという優れものです。
7.主題に戻りますが、戻り方がいかにも、「もうすぐ、曲のおわりですよ。」と感じさせます。このあたりで、「あ~、まだ終わらないで~、もっと聞いていたいよ~。」と思いながら、ゲィリーバートンとチックコリアの絶妙のパフォーマンスに酔いしれます。
8.そして、はっきりとしたエンディングにゆったり入ります。これほど、ゆったりした曲ではっきりしたエンディングのある曲はめずらしい。

本当にこの曲はすばらしいです。でも、チックコリアとゲィリーバートンの演奏だからすばらしいのだとも思うのです。曲のあちこちにふたりの息のあったコンビネーションがあり、これほどゆったりした曲なのに、緊張感を保ったままの曲はあまり聴いたことがないです。
曲が終わった後、「はぁ~終わってしまった。もっと聞いていたかったのに。」というなんとも言えない気持ちになってしまいます。

チックコリアの名曲中の名曲なのではないでしょうか。

パコデルシア

チックコリアと競演したギタリストでもう一人印象に強く残っているのが、パコ・デ・ルシア!
言わずとしれた、フラメンコギタリストの第一人者ですね。いまでは、かなり年をとってしまいましたが。
20数年前、アルディミオラといっしょにチックコリアのアルバムに参加している頃がありました。アルバムはなんだったかな? たしか「イスファハン」が入ってる曲だっただったと思うけど。
パコデルシアのギターは、やっぱり情熱的!でも、どこか哀愁がただよっていて、感情のたかぶりと激しく悲しいときの表現差を見事に出してくれます。さらに、冷静に静かに奏でながら、だんだんと気持ちが昂ぶってくるのを予感させる、魂のギターみたいなギタリストですね。
パコデルシアのギターの凄さをCDで満喫していた20代はじめの頃、やっぱりアンダルシアに行って見たくて、3週間ブラブラしたことがありました。
そこで何件かフラメンコをやってるお店に入ったのですが、入ってびっくり!パコデルシア並みのギタリストがどの店にもいるのです。
スペインはやっぱりすごい!と思った数ヵ月後、パコデルシアが日本に来日しました。田園コロシアムでの野外コンサート。
アコースティックギターを野外で? さすがにしょぼいだろうなぁ。。。。と思いながらも、1万円もするチケットを思い切って買いました。
あの時は、買おうかどうしようか迷ったぁ!。
そして、開演。
まずは、パコデルシアがギター1本もって、広い舞台にたった一人。
観客はなんと1万人。 「わー!ショボーイ雰囲気!」 と思った次の瞬間!パコデルシアが「ボローン」と奏でたギターの迫力の凄さ! 1万人の観客がたった1本のアコースティックギターに圧倒されてしまって、息もできないくらい!すごかったぁ!「やっぱり、スペインで見たギタリスト達とは、全然違う!」
そして、パコのバンドが登場! そして、なんと!チックコリアがゲストで登場!
いやぁ、1万円で充分おつりがきました。 コリアもノリノリのすご~いコンサートに満喫できた忘れられない夜となりました。
チックコリアを中心にジャズのコンサートは幾つも見てきたけど、このパコデルシアのコンサートは20年以上たったいまでも、脳裏に焼きついてます。

スペイン/Light As A Feather

「スペイン」はチックコリアの70年代の名曲のひとつとして数えられている曲です。
この曲が「Light As A Feather」に納められたあと、「My Spanish Heart」のアルバムの構想が本格的になった感じがします。
チックコリアのスパニッシュな作品といえば、「スペイン」よりも前に更に名曲として知られる「LaFiesta」がありますね。
この曲は、2つのテーマで出来ています。
最初によくフラメンコなどで使われる、メロディックマイナースケールでⅤ、Ⅵ、Ⅶの3つのメージャーコードのテーマと「What Game Shall We Play Today」風のハーモニーのテーマの2つをスペイン風6拍子にまとめた素晴らしい曲です。
個人的には、「スペイン」よりもこの「LaFiesta」の方が好きですが、最近、バンドで「スペインやろうよ。」ってことになったので、この曲をバンド用にアレンジして練習しています。

この曲はコード進行がとっても単純で、曲構成もチックコリアの中では単純な方だと思います。
それだけに、親しみやすいかな?
でも、その分だけアドリブがやりにくい!単調になりがち。
コリアの「スペイン」を聞くと、やっぱアドリブが違うね。多彩だもんね。
スケールのことをもう少し勉強して、いろいろ真似してみないと。。。って思っています。

チックコリアとアルディミオラ

「ノーミステリー」あたりからだったでしょうか。アル・ディ・ミオラというギタリストが入ってきました。ぼくは、大好きでしたね。そのころ、(32,3年くらい前?)は、自分がギターも弾いていて、それも、エレキとアコースティックと両方をいました。
そのころのギタリストで人気があったのは、ジェフベック、ジミーペイジ、エリック・クラプトンでした。でも、自分としては、なんとなく物足りなくて。
そんなときに登場したのが、アル・ディ・ミオラ!
ディ・ミオラといえば、アコースティックの速弾きというイメージでしょうか。
確かにそうなんだけど、単なる速弾きというだけでなくて、速弾きの時の「音」が特徴的でした。クリーンすぎるくらいクリーンなピッキング音は、弾きかたに生半可じゃないこだわりを感じます。
どういうことかと言うと。
通常のギタリストの感覚としては、左手で弦を抑える瞬間と右手で弦を弾く瞬間は速弾きの時は「同時」という感覚だと思います。
ところが、本当に同時だと、左手の弦の抑え方が中途半端な状態で右手で弦を弾いてしまうため、ちょっとくぐもった音になってしまいます。
ディ・ミオラの音は、確実に左手が弦を抑えてから、微妙に「遅れて」右手が弦を弾いていると思われます。この微妙な「遅れ」を、あれだけの速弾きで実現するのは、かなりのこだわりと練習が必要です。普通の人は、練習中に胃炎にかかってしまうでしょう。
自分はとてもマネできませんでした。


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